歴史的には優れたサファイヤ宝飾品が多い中で、有名なカルティエの「パンテール(豹)」シリーズの最傑作「サファイヤとダイヤモンドのブローチ」を取り上げてみます。
カルティエ最初の"動物モチーフ"ジュエリーになった同シリーズは、当時(1915年頃)同社オーナー、ルイ・カルティエの友人でアーティストのジャンヌ・トゥサン(女史)―彼女はもともと豹好きでニックネームが「パンテール」でした―と同社デザイナー、ペテル・マルマシャンとの共作によるものでした。
1948年、かのウィンザー公爵が婦人のために「パンテール」のクリップを2万ポンドで作らせたのですが、運悪くすぐ盗難に遭い、翌年夫妻はカルティエに再注文します。
実は、最初のパンテールの球部分の素材はカボション・エメラルド(116.74ct)をカルティエはすぐには調達できず、止む得ず152.35ctのカシミール産サファイヤで再製作したものでした。参考までに、カラット差で3割も重いサファイヤでしたが、比重の魔術で球体サイズはむしろエメラルドより僅かに小さくなりました。(サファイヤ比重4.00、エメラルド同2.72)。
公爵夫人は1987年、これをサザビーズ・オークションに出品し、カルティエ自身が154万SFr.で落札、「カルティエ・コレクション」に加えられました。
カルティエ最初の"動物モチーフ"ジュエリーになった同シリーズは、当時(1915年頃)同社オーナー、ルイ・カルティエの友人でアーティストのジャンヌ・トゥサン(女史)―彼女はもともと豹好きでニックネームが「パンテール」でした―と同社デザイナー、ペテル・マルマシャンとの共作によるものでした。
1948年、かのウィンザー公爵が婦人のために「パンテール」のクリップを2万ポンドで作らせたのですが、運悪くすぐ盗難に遭い、翌年夫妻はカルティエに再注文します。
実は、最初のパンテールの球部分の素材はカボション・エメラルド(116.74ct)をカルティエはすぐには調達できず、止む得ず152.35ctのカシミール産サファイヤで再製作したものでした。参考までに、カラット差で3割も重いサファイヤでしたが、比重の魔術で球体サイズはむしろエメラルドより僅かに小さくなりました。(サファイヤ比重4.00、エメラルド同2.72)。
公爵夫人は1987年、これをサザビーズ・オークションに出品し、カルティエ自身が154万SFr.で落札、「カルティエ・コレクション」に加えられました。
「世界の天然無処理宝石図鑑」より参考
鉱物名コランダム
産 地ミャンマー、スリランカ、タイなど
硬 度9.0
9月の誕生石